Abstract
37歳男性が長期にわたり霧視OUに苦しんでいると訴えた. 約4年前に地元の病院で多発性硬化症と診断された。 メチルプレドニゾロンの投与を受けたが、めまいは持続した。 その後、8ヶ月前からめまいと平衡感覚喪失を訴え、当院神経内科を受診した。 さらに、目のかすみ、動作や言葉の遅さ、食欲不振、手の震えなどを訴えた。 眼科受診の結果、視力は右目6/20、左目6/15であった。 両目とも中等度の内転制限を認めた(図34.1). 両目とも解離性外転性眼振を認めた(動画34.1). 細隙灯検査および眼底鏡検査は正常であった. 視野は両目とも完全であった. 脳のMR画像では,T2WIで両側深部白質,脳梁,後頭部脳室周囲,脳橋,延髄に複数の異常高信号が認められた(図34.2). 腰椎穿刺も行われ、開栓圧108mmH2O、閉栓圧57mmH2Oであった。 IgG指数は2.7であった。 チアミン治療も受けたが、この患者には効果がなかった。 多発性硬化症の印象で退院となった
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