第10章 メタゲノム解析と解釈

生物圏は微生物によって支配されているが、大多数の微生物が科学的に調査されていない。 過去10年の様々な研究により、どのような生息環境においても、大多数の細菌は培養できないままであることが明らかになっている。 そこで、培養に依存しない方法であるメタゲノム解析が、生態系における群集構造やその生理的重要性をより深く理解するための強力なツールとして登場してきた。 メタゲノム解析は、機能ベースの遺伝子配列同定(機能メタゲノム解析)または配列ベースの機能同定(配列メタゲノム解析)により、微生物集団のゲノム情報を解析するものである。 当初、メタゲノム解析は、シーケンスのコストが高いため、機能メタゲノム解析による新規遺伝子やパスウェイの同定にのみ発展してきました。 しかし、経済的な次世代シーケンサーが登場したことにより、メタゲノム解析のスピードが上がり、様々なマイクロバイオームの遺伝的枠組みの解読が可能になり、データベースは膨大なメタゲノム・データセットで溢れかえっています。 これらの膨大なデータセットからノイズを除去し、マイクロバイオームの構造を解読し、研究対象の生態系と競合するマイクロバイオームの機能を予測することが課題となっています。 そこで、限られた時間で重要な生物学的情報を取得できるよう、スタンドアロンまたはオンラインのソフトウェア解析パイプラインが多数開発されました。 本章では、メタゲノム解析のフレームワーク、メタゲノム解析のアプリケーション、メタゲノム解析に利用可能なデータ解釈ツールに焦点を当てる。 本章の内容は、メタゲノムに基づく科学的発見の実行を計画している若手研究者の科学的理解を深めるものである

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