液体が蒸発するとき、
- 液体が蒸発温度まで加熱される
- 蒸発温度で液体から気体に変化して蒸発する
- 蒸発温度以上で蒸発する-というプロセスを経る。 super-heating
温度が変化したときに物質に伝わる熱を顕熱と呼ぶことがある。 蒸発として状態が変化するのに必要な熱を蒸発潜熱という。
最も一般的な蒸気は蒸発した水、つまり水蒸気または湿った状態である。
エンタルピー
系のエンタルピーは系の質量-m-に系の比エンタルピー-h-を乗じたものと定義され、次のように表すことができる。
H = m h (1)
ここで
H = エンタルピー (kJ)
m = マス (kg)
h = 比エンタルピー(kJ) エンタルピー (kJ/kg)
比エンタルピー
比エンタルピーは流体の特性で、次のように表わされる。
h = u + p v (2)
ここで
u = 内部エネルギー (kJ/kg)
p = 絶対圧 (N/m2)
v = 比体積 (m3/kg)
水蒸気の一部、水蒸気の特性も表で表せば、こうである。
エンタルピーとエントロピーを含む完全な表は、画面を回転してご覧ください。
p (bar) |
ts (oC) |
vf (m3/kg) |
vg (m3/kg) |
uf (kJ/kg) |
ug (kJ/kg) |
hf (kJ/kg) |
hg (kJ/kg) |
sf (kJ/kg K) |
sg (kJ/kg K) <45> <5168> <6849> <3217><8159>0.006112 1) |
0.01 | 0.0010002 | 206.1 | 0 | 2375 | 0.0006 | 2501 | 0 | 9.155 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.010 | 7.0 | 0.0010001 | 129.2 | 29 | 2385 | 29 | 2514 | 0.106 | 8.974 | |||||||||
. | . | . | . | . | . | . | . | . | . | |||||||||
1.01325 2) | 100.0 | 0.001044 | 1.673 | 419 | 2507 | 419 | 2676 | 1.307 | 7.355 | |||||||||
. | . | . | . | . | . | . | . | . | . | |||||||||
220 | 373.7 | 0.00269 | 0.00368 | 1949 | 2097 | 2008 | 2178 | 4.289 | 4.552 | |||||||||
221.2 3) | 374.15 | 0.00317 | 0.00317 | 2014 | 2014 | 2084 | 2084 | 4.430 | 4.430 |
- sは蒸気エントロピー
- suffix – f – 飽和液体
- suffix – g – 飽和蒸気
内部エネルギーu – (2) から計算可能で表からは省略することが多いが、(2)から計算すると良い。
- 1)絶対真空を指す。
- 2)標準大気での水の沸騰を指す。
- 3)水の臨界点を指す。
飽和水の比エンタルピー
飽和水の比エンタルピー-hf-は上記の表から求めることができる。 値は圧力に依存する。
標準大気中の飽和水(2)では比エンタルピーhfは419kJ/kgである。 標準大気 – 1 bar (14.7 psi) – では、水は100 oC (212 oF) で沸騰し始める。
水の比エンタルピー(SI単位)は、
hf = cw (tf – t0) (3)
ここで
hf=水のエンタルピー(kJ/kg)
cw=水の比熱(4.19kJ/kg.oC)
tf=飽和温度(oC)
t0=参照温度=0(oC)
飽和蒸気の比エンタルピー
飽和蒸気の比エンタルピー-hg-は上記の表から求めることができる。 圧力によって異なります。
標準大気中の飽和蒸気の場合②、比エンタルピーhgは2676kJ/kgです。
蒸発の比エンタルピーは次のように計算できます。
he = hg – hf (4)
ここで
he = 比蒸発エンタルピー (kJ/kg)
標準気圧での水の比蒸発エンタルピーは次のようになります。
he = (2676 kJ/kg) – (419 kJ/kg)
= 2257 (kJ/kg)
例-。 水を蒸発させるエネルギー
ある量の水を蒸発させるエネルギーは
Q = he m (4b)
ここで
Q = 蒸発エネルギー (kJ)
m = 水の質量 (kg)
ある量の水が蒸発するのにエネルギーは次のように計算できる。 大気圧で5kgの水を蒸発させるには
Q = (2257 kJ/kg) (5 kg)
= 11285 kJ
過熱蒸気の比エンタルピ
過熱蒸気の比エンタルピは次式で算出されます。
hs = hg + cps (ts – tf) (5)
ここで
hs=過熱蒸気のエンタルピー(kJ/kg)
cps=定圧蒸気の比熱=1.860 (kJ/kg oC)
tf = 飽和温度 (oC)
ts = 過熱蒸気温度 (oC)
cps = 標準大気中1.860 (kJ/kg oC).1 (kJ/kg oC)。 cpsは温度によって変化するので注意。
比熱の共通単位
1kJ/kg = 1J/kg 1kE/kg = 1J/kg 1cal/g = 1Btu/kg