目的: 原発性アルドステロン症の診断には生理食塩水注入試験(SIT),カプトプリル負荷試験(CCT),フルドロコルチゾン抑制試験(FST),経口ナトリウム負荷試験(SLT)が内分泌学会の臨床実践指針で推奨されているが,どれがよいかはまだ議論の余地がある。 我々は、入手可能な比較データを要約し、これら4つの検査の診断精度を評価することを目的とした。
デザイン。 PubMed,Embase,Cochrane Libraryを検索し,1980年1月~2018年1月に発表された関連研究を検索した。
患者。 適格な研究は,PAが疑われる患者における4つの確認検査のうち1つ以上の精度を報告した。
測定値。 2名の査読者が独立し、選択されたすべての研究のデータ抽出を行った。データ抽出は、研究の特徴、要約受信者動作特性(SROC)曲線と対応する要約曲線下面積(SAUC)、プール感度・特異度、95%信頼区間(CI)付きの診断オッズ比(DOR)を推定するためのデータから構成された。
結果 3686名の患者を含む26件の論文を同定した。 15の論文がCCTの診断精度を、10の論文がSITの診断精度を、1の論文がFSTの診断精度を評価し、SLTの診断精度はなかった。 CCTのSAUCは0.9207であり,プールされた感度と特異度はそれぞれ0.87(95%CI:0.84-0.89)および0.84(95%CI:0.81-0.86)であった。 SITでは、SAUCは0.9232であり、プールされた感度と特異度はそれぞれ0.85(95%CI:0.82-0.87)および0.87(95%CI:0.85-0.89)であった。 FSTでは、プールされた感度と特異度はそれぞれ0.87(95%CI:0.66-0.97)および0.95(95%CI:0.82-0.99)であった。 全体として、CCTとSITの診断精度に有意差は認められなかった。
結論 CCTとSITはPAの診断に高い精度と同等の精度を示した。 CCTは安全かつ簡便であるため,より実現可能性の高い選択肢であると考えられる。