Abstract
本研究では、3次元粉末印刷を用いてリン酸マグネシウムベースのカスタムメイド構造体を作製することを目的としている。 第一段階として,ファリントナイト粉末を焼結と粉砕により合成した。 60分の粉砕で印刷に適した粉末が得られ、16μmの中粒径となった。 これらの粉末を2M K2HPO4、0-5M (NH4)2HPO4または20%H3PO4からなるバインダー液と反応させ、水硬性固化反応によりストルバイト(K) (MgKPO4.6H2O)、ストルバイト (MgNH4PO4.6H2O) またはニューベライト (MgHPO4.3H2O) からなる母体を形成させた。 ストルバイト(K)は硬化時間が長いため印刷ができなかったが,ニューベリライトとストルバイトの試料は寸法精度のよい加工が可能であった. 印刷後の強度は,当初1〜3〜2〜8MPaと低かったが,バインダーの後硬化を追加することにより,圧縮強度はストルバイトで最大10MPa,ニューベリライトで36MPaまで増加した. これは、X線回折分析によって証明されるように、より高い硬化生成物への転換を伴うものであった。 3次元印刷によって作製されたリン酸マグネシウムベースの構造体は,生分解性骨代替物としての応用や,本研究で示されたように金属鋳造用の鋳型の迅速な製造に使用できる可能性がある
.