ウサギの食事性高コレステロール血症で起こる血漿トリグリセリド(TG)の増加メカニズムを解明するために、アルビノのウサギに3%コレステロール食を種々の期間与えて、以下の測定を実施した。 血漿脂質レベル、血漿TGのターンオーバー率(標識超低密度リポ蛋白、またはグリセロール-2-3H法)、心臓および血漿のリポ蛋白リパーゼ活性、肝臓(ホモジネートおよびスライス)におけるTGへの脂肪酸と酢酸の取り込み。 血漿中の遊離およびエステル化コレステロールとリン脂質の濃度は急速に増加したが、TGの増加は比較的緩やかで、肝でのTG合成には変化がなかった。 一方、分画回転は1週間以内に低下した。 ヘパリン注射による血漿TGの減少は、高コレステロール血症ウサギでは正常動物より小さかった。 しかし,コレステロール食ウサギの心臓リポ蛋白リパーゼの活性測定値は,対照群より高かった。 二つの基質(正常および高コレステロール血漿からの超低密度リポ蛋白)の影響を比較すると、後者で見かけの活性は低かった。 この阻害の程度は、リポ蛋白中のコレステロールの量に比例した。 リポ蛋白リパーゼ活性の阻害は,活性化エディオールにコレステロールを添加した場合にも認められたが,エステル化コレステロールを添加した場合には認められなった。 部分精製血漿中リポ蛋白リパーゼを用いて Lineweaver-Burk プロットを作成し,Ediol,Ediol+硫酸プロタミン,Ediol+コレステロールの Km 値を算出した。 リポ蛋白リパーゼの基質中にコレステロールが存在すると酵素活性が競合的に阻害され、これが食餌誘導高コレステロール血症ウサギで観察される高グリセリド血症の機序であることがわかった<4183>。
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